オートファジーの効果とは?ダイエットのやり方・コツ・注意点を解説

オートファジーはダイエットやエイジングケアで注目されています。オートファジーには本当に効果があるのか、どんな効果があるとわかっているのかを詳しく知りたいと思っている人も多いのではないでしょうか?

オートファジーダイエットも知られるようになり、具体的にやり方を知りたいと思っている人も増えてきましたよね。

この記事ではダイエットやアンチエイジングでオートファジーをやってみたいと思っている人のために、やり方と成功のコツ、失敗しないための注意点を解説します。

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目次

オートファジーとは

オートファジーとは、人にもともと備わっている自浄能力のことです。身体を内側からきれいにできるのが特徴で、心身を健康にして美容ケアをするための方法としてオートファジーが注目されています。

オートファジー=自食作用=“デトックス”

オートファジーは学術的には「自食作用」と呼ばれています。オートファジーの「auto」は「自己」、phagyは「食べる」というギリシャ語に由来しています。「自分を食べる」というと恐ろしいと思うかもしれませんが、身体の中では新陳代謝によって常に身体を新しくしているのは知っている人もいるでしょう。
身体にとって害になる成分を肝臓で代謝して分解したり、腎臓を通して尿として排泄したりして、健康に生きられるようにデトックスをしています。オートファジーもデトックスの一種で、古い細胞を除去して、新しい細胞に生まれ変わらせる作用です。

オートファジーの特徴

オートファジーはいつも動いている生体内の機能です。ただ、オートファジーは状況によって活性化されるときと、抑制されるときがあります。オートファジーは実は、エネルギーが不足したときに補わなければならない場合に活性化される性質があります。
人も含めて、生物は生命を維持して子孫を残せるようにするための代謝機能を作り上げてきました。食べ過ぎると脂肪が増えてしまうのは、脂肪が体内にエネルギーを貯め込む方法として効率が良いからです。エネルギーが足りなくなったときには脂肪を分解して使い、代謝が活性化されるようになります。
オートファジーは古い細胞を分解してエネルギーにする役割もあるため、飢餓状態になると活発に進むようになるのが特徴です。

オートファジーで重要なのは「16時間の断食」

オートファジーを積極的に働かせるためには、16時間の断食が効果的です。このことは、あおき内科さいたま糖尿病クリニック院長の医師で、内分泌代謝の分野で有名な青木厚氏が自身の経験と研究を通して提唱しています。
オートファジーは、飢餓状態になってケトン体代謝に切り替わることによって促進されます。ケトン体代謝とは中性脂肪などの分解が進んでいる状態です。通常はブドウ糖などの糖類をエネルギーとして使う糖代謝が中心です。
しかし、飢餓状態になると「このままでは生命維持が難しい」と身体が判断し、貯めてきた脂肪を分解してエネルギーにする脂肪代謝が進むようになります。脂肪代謝が始まると血液中のケトン体が増え始め、オートファジーが活性化されます。
ケトン体の上昇は最後の食事から12時間くらいで上がり始めるのが一般的です。そのため、16時間くらいの断食がオートファジーの活性化に効果的と考えられています。

オートファジーによる効果

オートファジーの効果は多岐にわたっています。ここでは、直感的にわかりやすいオートファジーの効果から順番にリストアップしました。
  • 胃腸の負担の軽減
  • 腸内環境の改善
  • 便秘の解消
  • 免疫力の向上効果
  • がん免疫力の向上
  • 脂肪燃焼の促進
  • ダイエット効果
  • 血液循環の改善
  • アンチエイジング効果
  • 心身の機能の改善
オートファジーにたくさんの効果があると知って、驚いた人もいるでしょう。オートファジーをすると絶食状態になって、胃や腸などの消化管の中身が空になります。
いつも食べ物が入っていると胃腸は活動を続けなければならず、疲れてきてしまうのはイメージできるのではないでしょうか。オートファジーで空っぽにする時間ができると、胃腸が元気になります。腸内環境も改善し、本来あるべき機能をきちんと発揮できるようになるでしょう。また排泄物がきちんと出ていくようになり、便秘解消にもつながります。
また、小腸は免疫にかかわりが深く、がんも含めて免疫力のサポートになるのもオートファジーをする魅力です。ケトン代謝を通して脂肪が燃焼されやすくなり、ダイエット効果も出てきます。古い細胞を置き換えて新しくできるオートファジーはトータルとしてアンチエイジングになり、心身の機能を改善できる可能性があります。心身の健康を考えていきたいなら、オートファジーにチャレンジしてみるのがおすすめです。

効果が出るオートファジーの4つのやり方

オートファジーで効果を出すためには、どのようなやり方をするか、よく考えて決めるのが大切です。
前述したようにオートファジーを活性化するには、16時間の断食をすることが重要になります。いつ16時間を確保するかを考えて、タイムスケジュールを決めるのがオートファジーの基本的なやり方です。
以下にオートファジーの具体例を4つ紹介します。

朝食を遅め・夕飯を早めにするタイムスケジュール

オートファジーで効果が出やすく最も標準的なやり方は、夕食後と朝食前までの間に16時間を空ける方法です。朝食を遅めにして夕飯を早めに済ませるようにすると、16時間を確保できます。
例えば、18時に夕飯を食べたら、翌朝は10時に食べれば16時間の間が空きます。朝は9時に食べたいという場合には、17時に夕飯にすればOKです。昼食も食べて大丈夫なので、朝食か昼食を軽めにすると食事のリズムを作りやすくなります。
一日三食でオートファジーをするなら、朝食を遅めにして夕食を早めにするしかないでしょう。食事を抜かない方が栄養を摂りやすいので、健康を大切にしたい人におすすめのタイムスケジュールです。

朝食を抜くタイムスケジュール

一日二食で過ごすときには、朝食を抜くタイムスケジュールをまず候補にできます。昼食を12時に食べるとしたら、夕食を20時に食べれば16時間の断食時間になります。夕食が遅くなっても翌日の昼食を遅らせればOKです。
朝食を抜くと午前中にお腹が空いてしまうので大変です。ただ、午前中に頑張って活動すればエネルギーをたくさん使えるので、朝型の人にとってはオートファジーの効果を上げやすいタイムスケジュールでしょう。

昼食を抜くタイムスケジュール

昼食を抜くのも、一日二食でオートファジーをする基本的なやり方です。夕飯が遅い人や、昼間は忙しくて食事をしている時間がない人にとって最も合理的なタイムスケジュールでしょう。
例えば、22時に夕食をとる場合には朝食を6時に食べるようにすればオートファジーができます。いつも仕事で帰りが遅くなっていて夕飯が深夜になってしまう人も、朝食を8時までに食べれば大丈夫です。夜型の人にはトライしやすいタイムスケジュールで、夜に弱い人にはあまり向いていません。

夕食を抜くタイムスケジュール

夕食を抜いて16時間の断食時間を確保するタイムスケジュールも選べます。昼間に十分に食べていないと活動できない人の中で、特に朝型の人におすすめです。
例えば、13時に昼食をとったら翌日の朝食は5時に食べられます。昼食の時間を調整できるなら、7時に朝食、15時に昼食というタイムスケジュールにすることも可能です。お腹が空いてしまうと眠れない人には向いていませんが、お腹が空いたら寝てしまえばOKな人にはストレスが少ないやり方です。

オートファジーの注意点

オートファジーには、ダイエットやエイジングケアなどのさまざまな効果を期待できます。ただ、オートファジーをして後悔してしまう場合もあるので注意しましょう。
やってみると意外に大変だったり、想定していなかった問題が起きて続けられなくなったりする場合があります。ここでは、オートファジーの注意点を詳しく解説します。

ストレスが溜まりやすい

オートファジーはストレスが溜まりやすいので注意しましょう。習慣になってしまえば特に問題がなくなってきますが、最初のうちは16時間も断食をするのが苦痛になりがちです。ストレスが原因で体調を崩してしまっては、元も子もないでしょう。
現代日本はストレス社会になっていて、仕事をしているとただでさえストレスの負担があります。しっかりとしたストレス対策をして、オートファジーをするのが途中で嫌にならないようにすることが大切です。

筋力の低下が起こりやすい

オートファジーは、絶食状態になる影響で筋力の低下が起こりやすいのがデメリットです。エネルギーがなくなって糖代謝からケトン代謝になるときには、筋肉を分解する代謝も進みます。身体にとっては脂肪よりも筋肉を構成しているタンパク質の方が分解しやすく、すぐにエネルギーにできるからです。
一日二食のタイムスケジュールでオートファジーをする場合には、食事の量も減るのでタンパク質が不足しやすくなります。オートファジーを始めたら筋肉が減って必要以上に痩せてしまうこともあるので注意が必要です。食事では意識的にタンパク質を摂るようにしましょう。

食べ過ぎて太る場合がある

オートファジーでダイエットをしたいときには逆に太ってしまわないように気を付けましょう。16時間も食事の間を空けるとお腹が空いてしまい、つい食べ過ぎてしまうからです。慣れてくると食事量をコントロールできるようになりますが、最初のうちはいつもよりたくさん食べてしまいがちです。
断食をしてケトン代謝になっているときは、食べ過ぎると脂肪がつきやすくなります。特に断食後の食事は控えめにして、断食する前の食事を少し多めにするのが、うまくオートファジーを続けるのに効果的です。

リバウンドするリスクがある

オートファジーでダイエットをする場合には、リバウンドのリスクがあるので注意しましょう。筋力が低下しやすいのも、リバウンドを起こしやすい理由です。
ただ、さらに切実なのはオートファジーでダイエットをするのをやめて、元の生活に戻そうとしたときです。一日二食にしていた場合には、二食でのカロリー摂取量で維持できる身体になっています。オートファジーをやめて三食目を食べ始めたら、カロリーの摂りすぎになってしまいます。
一日二食にする場合には、オートファジーをやめるときにカロリー調整をしてリバウンド対策をするのが重要です。一日三食でオートファジーにするとリバウンドのリスクが低くなります。

食事を抜くと栄養が不足しやすい

オートファジーは一日二食で食事を抜くようにすると、栄養不足が問題になる場合があります。オートファジーの効果が得られないだけでなく、むしろ健康や美容に問題が出てきてしまうことがあるので気を付けましょう。
もし食事だけでは補えない栄養があるなら、サプリメントを使用するのが効果的です。タンパク質が不足してしまう場合にはプロテインを飲んで対策することもできます。

継続してこそ効果が実感できる

オートファジーの効果は、一日で出るわけではありません。継続していくことで身体の調子が変わっていきます。基本的にはオートファジーを始めたら、これからはずっと続けていくという考え方を持ちましょう。
続ければ続けるほど、身体の内側からデトックスが進んでいって実感が生まれてきます。
最初のうちは効果がなかなかわからなくて、オートファジーをやめようと思ってしまいがちです。しかし、継続しているうちに自浄作用が発揮されてきて、期待していた効果が感じられるようになってくるでしょう。

オートファジーの効果を上げるコツ

オートファジーの効果を出すには、コツがあります。
ここからはオートファジーの効果を上げるためのノウハウを紹介しますので、これまで効果が実感できないから諦めようと思っていた人も、ぜひ参考にしてみてください。

ライフスタイルに合わせてタイムスケジュールを決める

オートファジーはライフスタイルに合わせて行うのがコツです。今までのライフスタイルを大きく変えると、心身ともにストレスが大きくなります。もともと朝食を食べていなかった人は、昼食と夕食の時間を調整するだけならやりやすいでしょう。三食をきちんと食べていた人は、食事を抜くよりも時間をずらした方が楽です。
オートファジーを始めるときには、ライフスタイルの調整が必要になります。仕事や家族との関係も考えて、できるだけ負担のないやり方にしましょう。

無理のない頻度でオートファジーをする

オートファジーは毎日やるのが理想的ですが、毎日やらないと効果がないわけではありません。無理のない頻度でオートファジーをしていくのが効果を出すコツです。
仕事をしている人は、平日に食事の時間を調整するのは難しいことがあります。しかし、週末だけオートファジーをするというやり方なら、できるのではないでしょうか。土日に二日連続でやるのが辛かったら、一日から始めても構いません。まずは少しでも習慣的に始めるのが大切なので、毎週一日だけオートファジーをする習慣を作ってみましょう。

空腹ストレスを減らす工夫をする

オートファジーに慣れるまでは空腹ストレスが悩みになります。お腹が空いて我慢できなくなり、オートファジーを諦めている人もいます。空腹ストレスは食事の工夫で減らせるので試してみましょう。食物繊維の多い食事を心がけると、腹持ちが良いので空腹を紛らわせます。
次の食事間でもう少しというときなら、お茶や水、炭酸水などを飲んで紛らわすのも効果的です。空腹時は血糖値の上がりにくい食品を少量だけ食べて対処することもできます。ナッツやチーズは低糖質でタンパク質が多いため、オートファジーに適しています。お腹が空いたときの対策として持ち歩くのがおすすめです。

カロリー・栄養を気にしつつ好きなものを食べる

オートファジーは16時間の断食をすれば、残りの8時間は何を食べても構いません。食べられるときに好きなものを食べてストレスを発散しましょう。
カロリーの摂りすぎや栄養不足にならないように気を払う必要はありますが、ケーキやクッキーなどを食べても大丈夫です。メリハリをつけるとオートファジーはやりやすくなります。

食事では炭水化物は最後にする

オートファジーの効果を上げやすくするには、食事の仕方を少し工夫するのがおすすめです。野菜から食べるようにして、ご飯やパンなどの炭水化物はできるだけ最後にしましょう。
副菜から食べ始めて主菜に進み、最後に主食にするという食事の流れにすると、食物繊維の作用によって血糖値の上がりが緩やかになります。吸収も緩やかになるので腹持ちが良くなり、16時間の断食時間も我慢しやすくなる方法です。

フィットネスで筋力対策をする

オートファジーをしているときは、フィットネスなどで筋肉を鍛えるのが効果的です。筋力が減ってしまうと基礎代謝が低下してしまいます。筋力不足で動くのが面倒になってしまい、活動が低下してしまうことにもなりかねません。
ダイエット目的でオートファジーをするときには、リバウンドの原因にもなります。フィットネスジムに通ったり、自宅にダンベルなどの筋トレグッズを用意したりして、筋力対策をしましょう。オートファジーで心身の機能が改善すると、筋力が付きやすくなる可能性もあります。
ただ、オートファジーをして空腹になっているときに筋トレをするのは、負担にもなりますので注意してください。食間に筋トレをするか、週末だけオートファジーをするなら平日にだけ筋トレをする、といった工夫が効果的です。

美容ケアをして続けやすくする

美容ケアをするのは、オートファジーの効果を引き出すコツです。肌をきれいにしたい、生き生きとした肌にしたいと思ってオートファジーを考え始めた人もいるでしょう。オートファジーによって肌の状態を改善する効果が出てくる可能性はあります。
ただ、オートファジーはあくまで古い細胞を除去するだけなので、新たに肌を作り上げるための代謝を直接的に高めるわけではありません。乾燥による肌荒れのスピードが新陳代謝のスピードよりも速かった場合も、肌の状態は良くならないでしょう。
美容目的でオートファジーをするなら、美容ケアも並行するのが大切です。特に毎日オートファジーをする場合には、美容に必要な栄養素が不足してしまうリスクがあるので、栄養バランスには注意しましょう。

よく眠る

オートファジーの効果を上げるためには、よく眠りましょう。睡眠の質と時間を向上させるだけで、オートファジーに必死に取り組むのと同じくらい、心身にとってプラス効果が出てくる可能性があるからです。目安としては、良質な睡眠を6時間~8時間くらい毎日取れるようにするのが理想的です。
睡眠中は代謝によって体の中の修復が行われています。十分に眠ることできちんとオートファジーが進んで、デトックスが実現できてきます。よく眠れていないという実感がある人は、質の良い睡眠を取れるようにライフスタイルを改善しましょう。
就寝前はカフェインを含むコーヒーなどを避ける、夕食や入浴は就寝の2時間以上前にする、スマホやパソコンは就寝前に使わないといった心がけをすると、睡眠の質が向上してオートファジーの効果が上がりやすくなります。

サプリメントでサポートする

オートファジーは、サプリメントでサポートするのもおすすめです。オートファジーは16時間の断食をすることで飢餓状態になり、不要な細胞を分解していくアプローチです。オートファジーを続けられるようにするには、心身ともに元気で頑張れる状態を維持する必要があります。
オートファジーにチャレンジしてみたけれど、つらくて続けられなかったという人もいるのは確かです。しかし、サプリメントで元気を補い、効果を体感できるようにサポートすれば、続けようという気持ちが湧きやすくなります。
オートファジーのサポートサプリメントは、目的に合わせて選ぶのが重要です。オートファジーで自分がどうなりたいかを考えて、サポート成分をサプリメントで摂っていきましょう。